占い師やカウンセラー特有の税金・税理士・確定申告・税務調査・節税問題などについて公認会計士・税理士小松由和がわかりやすく解説いたします。

必要経費の論点

ショッピングモール内の占いブースや、占い師たちが集まる占いハウスなどで鑑定をする場合は、訪れた相談者が自分を選んでくれなければ鑑定することができません。選ばれるためには、独自の鑑定スタイルを確立し、他の占い師と差別化できるようにセルフプロデュースしていくことが必要となってきます。まずは外見や占術などで他の占い師との違いをアピールしなければ、実力を見せることもできません。数多くいる占い師の中で、自分を選んでもらうためにはどうしたらよいか、皆さん頭を悩ませていることでしょう。自分自身を客観的に分析できれば、強みを伸ばし、足りない部分は演出の力を借りることもできます。もし華やかさに欠けているなら、衣装やメイクで補うこともできるでしょう。若い占い師は経験が浅いと思われ、なんとなく軽く見られてしまうこともあります。そのような場合は、カチッとした服装を選んだり、きちんとした言葉づかいを勉強することが必要かもしれません。鑑定を行う場所によって、普段とイメージを変える必要が出てくることもあるでしょう。

 

占術によっては、手の印象も大切です。タロットカードなどを使う場合は、定期的にネイルサロンへ通い、指先を美しく演出している方も多いでしょう。相談者たちは、占い師がどんなカードを選ぶのか、ドキドキしながら手の動きを見ています。爪が割れていたり、ささくれがある手では、興ざめしてしまうでしょう。さらに、手相を見る場合などは、相談者の手に直接触れるので、相手に不快感を与えないようにしなければなりません。服装やアクセサリーを選ぶのと同じぐらい、ハンドケアも重要な演出といえるのではないでしょうか。

 

イベントやテレビ出演の際には、チャイナドレスやジプシー風の衣装などを着て、場を盛り上げる役割を担うこともあります。独自の鑑定スタイルを大切にしつつも、場の雰囲気に合わせた演出ができる占い師は、イベントやテレビ番組に呼ばれる回数も増えていくでしょう。占い師が一般人や芸能人を鑑定し、恋愛や仕事についてズバズバとアドバイスをしていく番組が各局で放送されています。どの番組でも、起用されている占い師は、皆さんとても個性的です。番組が盛り上がるかどうかは、占い師の実力と個性にかかっているといえるでしょう。女性の場合は、テレビ映りも気になるところではないでしょうか。ハイビジョンカメラによるアップにも耐えられる仕上がりになるように、ハイビジョン対応のファンデーションなどもあるようです。人前に出る機会が多くなれば、メイクやファッションに関する情報収集も重要な仕事となってきます。集めた情報を活用し、自分を上手にプロデュースしていける方は、活躍の場を広げていくことができるのでしょう。

占い師になるためには、公的な資格が必要というわけではありません。自分で占い師だと名乗れば、その日から占い師ということになります。独学で占いを習得した場合は、組織などに属さずにフリーの占い師として活動している方もいるでしょう。誰かの下で学んだ場合は、師となる人が所属している「○○協会」「○○会」などの団体に身を置きながら、個々に活動するという道もあります。各会では、定期的に研究発表会などを行っているようなので、他の占い師の研究成果を聞く機会が得られ、スキルアップへのよい刺激となるでしょう。その会に有名な占い師が所属していれば、会を通じて「他の占い師を紹介してほしい」という依頼が来ることもあります。カルチャーセンターで講師をしたい方やテレビ出演をしたい方などは、どこかの会に所属していたほうが、チャンスが多いかもしれません。

 

ただし、組織に属していると縦横のつながりが出てくるので、何かと付き合いも多くなります。所属する会が主催する研究会やイベントに参加するだけでなく、自分が学んだ占い師や先輩占い師がイベントを行うような場合には、足を運んだり、お花を贈るといった気配りも必要になるでしょう。占い師には年齢制限がないので、ご年配の方もたくさんいます。冠婚葬祭などの際も、きちんとした対応をしなければなりません。組織の中での仕事分担もでてくるので、鑑定以外の仕事が増えてしまうこともあるようです。会社員には向いていないから占い師になったという方は、また会社員のような仕事をすることになってウンザリしてしまうかもしれません。一度は会に属したものの、自分にとってはメリットよりデメリットの方が多いと考え、「一匹狼」として頑張る道を選ぶ占い師もいるようです。

 

占い師の中には、企業コンサルタントとして活躍している方もいます。経営者から人事や事務所移転に関する相談を受けたときに、自分のアドバイスによってよい結果を出すことができれば、VIPとの交際も増えていくでしょう。芸能人や政治家からも、鑑定依頼がくるようになるかもしれません。そのような人たちと縁ができれば、講演やコンサートに足を運ぶなど、お付き合いにも何かと出費がかかるようになります。パワースポットとして紹介した神社・仏閣と親交が深まれば、お賽銭を「ほんの気持ちだけ」入れて帰るというわけにはいかなくなるかもしれません。祭礼の際には、それなりの額を寄付することもあるでしょう。フリーで活動している占い師であっても、仕事がらみで様々な人とのお付き合いがでてくるもので、占い師としてステップアップしていくほど、交際に関わる出費も増えていくようです。

 

若者の恋愛傾向やメイクの流行を知ることなども、占い師としての仕事の一部といえるのではないでしょうか。女性誌やテレビ番組では、人相学とメイクを絡めた特集なども多くなりました。流行の色や眉の形などを知っておかなければ、適切なアドバイスはできないでしょう。象意を読み解く際に、今の情勢に合った言葉を導きだすためにも、新しい情報も入手しておかなければなりません。例えば、若い人に適職をアドバイスする場合は、新しい職業に関する知識がなければ、話がかみ合わないかもしれません。相談者は、時代の流れに合ったアドバイスを期待しています。「当たる占い師」と言われている方々は、雑誌やテレビ番組、インターネットなどから、様々な分野の最新情報を入手していることでしょう。

 

相談者からの信頼を得るためには、説得力を増すための研究も必要です。特に、「気学」の経験談などは、豊富なほうがよいでしょう。「気学」では、引っ越しや転職、旅行の際に、自分にとっての吉方位へ移動すると、物事がスムーズに運び、開運できると言われています。年盤、月盤、日盤のすべてが吉方位である日に移動できればよいですが、相談者のスケジュールがうまくあわないことも多いでしょう。特に、日帰りや1~2泊の旅行は、年盤、月盤、日盤のどれを優先させるかが、占い師によって意見がわかれる部分でもあります。さらに、吉方位へ行った効果はいつ頃から出始め、いつ頃まで続くのかというのも、占い師によって解釈が違うようです。そんなとき、ほかの相談者の実例を挙げるだけでなく、自分の経験談をより多く聞かせることができれば、相談者も信じてみようという気持ちになりやすいのではないでしょうか。

 

最近は、パワースポットを訪れる人が多くなりました。鑑定中に、パワースポットの話題が出ることも増えたのではないでしょうか。説得力のある話をするためには、やはり、自分自身でいろいろな場所へ行ってみることが必要です。神社・仏閣はメディアでもよく取り上げられるので、人の多さや並ぶことに、ウンザリしている人も多いでしょう。ご利益を求めて多くの人が訪れるようになったある神社では、参拝者たちが御神木の根っこを踏んでしまうため、木が目に見えて弱ってきているそうです。自分のことばかり考えて木を弱らせてしまうような人に、ご利益があるとは思えませんが、残念ながらそのような参拝者がたくさんいます。パワースポットとして紹介されている場所は、レイラインや神話と符合していることが多く、そのような背景を知っていれば、人気ラーメン店へ行くような軽い気持ちでは訪れないでしょう。パワースポットを紹介するだけでなく、歴史的背景や訪れる際のマナーなどをきちんと教えることも、占い師の役目なのかもしれません。

雑誌やタウン誌などには、必ずといっていいほど占いのページがあります。新しく創刊する紙媒体があれば、占いのページを担当するチャンスが訪れるかもしれません。女性誌では占いの特集が掲載される頻度も高いので、常に新しい占い師を探しています。対面鑑定での人気が話題となり、本を出版する話が来ることもあるでしょう。そのようなときに問題となるのが、文章力です。口頭ならいくらでも説明できるのに、いざ文章としてまとめようとすると、なかなか思うように書けないという方が多いのではないでしょうか。多くの人に自分を知ってもらえるチャンスだと思って引き受けたものの、あまりに執筆作業がはかどらず、苦痛に感じてしまう方もいるようです。パソコンの前に座ったまま、いつまでたっても書き出すことができず、時間だけが過ぎていく……という経験がある方もいるでしょう。けれども、原稿には締め切りというものがあり、編集部は常に時間と闘っているので、いつまでも待ってくれるわけではありません。原稿の提出が遅れれば、二度と依頼が来なくなるかもしれません。

 

やっとの思いで自分なりに書いたものを提出しても、編集段階でかなり手を加えられてしまうこともあります。読みやすいように文章を整えてもらうだけならよいですが、編集者の勝手な解釈によってカットされたり、自分の意図とは違う方向に広げられてしまいガッカリしたことがある占い師も多いようです。少し手を加えられただけでも伝えたかったメッセージのニュアンスが変わってしまい、自分の占いとは別のものになってしまったと感じることもあるでしょう。けれども、締め切りに追われている編集部とは、解釈について十分なやりとりをする時間がとれない場合も多いようです。また、占いのページには、エンターテインメント性も必要になります。占い師が書いたものに面白みがなければ、読者に楽しんでもらえるように手を加えるのも、編集部の仕事なのです。

 

執筆によって活動の場を広げるためには、締め切りに遅れたり、納得のいかない文章が世に出ることは避けなければなりません。そこで、自分の占術を理解し、意図を汲み取って文章を整えてくれるライターを自分で探して、リライトを依頼している占い師もいるようです。口頭で説明したり、要点を書き出したものを渡して読みやすい文章にリライトしてもらえば、時間を有効に使うことができます。各媒体に提出する前の段階で、自分の世界観を大切にしてくれるライターに文章を整えてもらっておけば、編集段階で大きく手を加えられることも少ないでしょう。自分でライターを手配すれば余分な経費がかかりますが、執筆に時間を取られなければその分を鑑定にまわすことができますし、締め切りに遅れて迷惑をかけることもなくなります。執筆作業で発生するマイナス面を防ぎ、効率よくプラス面を得るためには、それなりの出費が必要なのかもしれません。

相談者の中には、1対1で向き合うと、緊張してうまく話ができないという人もいます。仕事が忙しくて、相談したいのに外出する時間が作れないという人もいるでしょう。そのような人たちには、電話鑑定が好まれます。インターネットの普及により、最近はメールやチャットで鑑定をする占い師も増えました。インターネット上のスカイプ(Skype)などの機能を活用すれば、海外に住んでいる人とも通話料無料で話ができますし、テレビ電話のようにお互いの顔を見ながら話すこともできます。電話やインターネットを使って鑑定を行う場合、集客の入り口としてホームページを作る方が多いでしょう。けれども、ホームページを公開すれば、それだけで相談者が集まってくるというわけではありません。

 

「電話占い」や「メール鑑定」などのキーワードで検索すると、何万件ものページがヒットします。その中から自分のページが選ばれるためには、検索結果の上位に表示されるためのテクニックを学ぶことも必要です。占い師を検索できるサイトなどに登録すれば、アクセス数はアップするかもしれませんが、「アクセス数アップ」=「相談者が増える」とは限りません。アクセスした人たちが、「この人に鑑定してもらいたい!」という気持ちになるようなページにしなければならないのです。まずは、プロフィールや顔写真が判断基準となるでしょう。さらにそこから鑑定依頼に繋げるためには、限られたページの中で、人柄や実力をアピールしなければなりません。「今週の占い」を無料で公開したり、独自の占いコンテンツを掲載するなど、皆さんいろいろと考えているようです。インターネットを通して鑑定依頼をすることに、不安を感じる相談者もいます。そんな人たちに安心してもらうためには、特定商取引法や個人情報保護法などについての知識も必要となるでしょう。

 

電話やインターネットを使う場合は、その場で鑑定料を受け取ることができません。多くの占い師は、前払いの形をとり、入金を確認してから鑑定するようです。けれども、中には1日に何度も電話やメールをしてくる相談者もいます。「さっき聞き忘れたのですが……」などと言われ、つい話を聞いてしまうと、結局、料金をもらわずに新たな鑑定をすることになってしまう場合もあるようです。あまり親しくなりすぎると、予約の電話でいつのまにか鑑定することになるなど、どこから料金が発生するかの「線引き」が難しくなるでしょう。直接お金を受け取れないことから、口座名に関する問題も出てきます。占い師は仕事用の名前を使っていることが多いので、本名だけの銀行口座では何かと不便です。名前の前に屋号を付けたり、社名で仕事用の口座を開設したほうが、本名を明かさずに済みますし、相談者も混乱しないでしょう。

占い師として対面鑑定をする場合、街角に小さなテーブルと椅子を用意して始める方もいますが、オフィス兼鑑定部屋を借りたり、ショッピングモールなどの占いブースで鑑定する方が多いのではないでしょうか。どんなに小さなスペースでも、相談者が訪れやすくなるように、空間演出にも力を入れていることと思います。初めての相談者は緊張していることが多いので、リラックスできるようにヒーリング音楽をBGMとして流している方もいるでしょう。仕事や日常生活での問題を解消するために訪れる相談者たちが、少しの間だけでも「非日常」を体験できるように、オリエンタルなBGMやオブジェなどで演出している方もいるでしょう。けれども、多くの相談者が来ることで、部屋にネガティブなエネルギーが充満してしまうこともあります。居心地のよい空間を作るためには、ネガティブなエネルギーを取り除く工夫も欠かせないでしょう。

 

生花や観葉植物は、ネガティブなエネルギーを吸い取ってくれるといわれています。水晶などの道具や部屋全体を浄化するために、ホワイトセージの葉を燃やす方も多いようです。これは、アメリカン・インディアン(ネイティブ・アメリカン)が行っている「スマッジング(smudging)」を参考にした浄化法です。ハーブなどを燃やした煙で心身を癒す方法が、先住民族たちの間で言い伝えられています。「スマッジング(smudging)」にはジュニパーやシダーなど、様々なハーブが使われますが、ネガティブなエネルギーを浄化したいときにはホワイトセージが好まれるようです。チベットなどでは、お香の煙で浄化を行うこともあるようで、天然ハーブで作られたチベット香も人気があります。火を使えない場所では、チャクラスプレーやオーラスプレーと呼ばれる、浄化用のスプレーを使っている方もいるようです。ソルトランプの優しい灯りで空間演出をしている方もいますが、天然岩塩で作られたランプなら浄化作用も期待できるのでしょう。

 

独自の鑑定スタイルを確立させるためには、占いに使う道具も大きな役割を果たします。韓国でヒットし、日本でもリメイクされた『魔王』というドラマでは、タロットカードが重要アイテムとして登場しました。画家・宝永たかこさんが絵を描いたというタロットカードは、視聴者の注目を集め、これまでタロット占いに興味がなかった人たちも購入するほどの人気だったそうです。タロットカードや水晶などは、鑑定をするために必要な道具であると同時に、相談者の心を引き付けるための演出道具であるともいえるでしょう。

相談者が発するネガティブなエネルギーから自分を守るためには、体のケアも重要です。体が弱っていると風邪をひきやすいように、体調が万全でなければ、ネガティブなエネルギーのダメージも受けやすくなります。店舗などで対面鑑定を行う場合は、毎日、長時間座りっぱなしでいることが多いので、むくみや腰痛などの不調に悩まされることも多いようです。相談者の話に集中することで、肩こりや頭痛なども起きやすくなります。それらの症状を予防し、常にベストな体調で鑑定するためには、スポーツジムに通って体力をつけたり、血行不良を改善するためのケアが必要になってくるでしょう。

 

例えば、「瞑想」と関係が深いヨガや、「気」を重視している太極拳などは、体のエクササイズとしてだけでなく、メンタル面の「浄化」にも役立つようです。他者の手を借りるケアとして、鍼灸を取り入れている方もいます。東洋医学は「陰陽五行説」がベースとなっているので、四柱推命などを専門とされている方は、一般の人よりも身近に感じられるのではないでしょうか。日ごろ鑑定で使っている「相生」「相剋」などの関係が、体内の臓器にも当てはまるというのは、とても興味深いことです。鍼灸師兼占い師という方もいますが、生年月日から性格の傾向などがわかると、ホリスティックな治療に役立つのかもしれません。東洋医学では、体内をめぐる「気・血・水」の流れが滞り、バランスが崩れたときに不調が起きると考えられています。この3つは互いに助け合う関係にあるので、元気がなくなると血液の循環も悪くなり、水分も体内に停滞する……というように、どれか1つの流れが悪くなると、ほかの2つにも影響してしまうのです。1日中鑑定をしていれば、長時間同じ姿勢でネガティブなエネルギーを受け続けることになるので、まさに不調が起きやすい状態といえるでしょう。ですから、バランスの崩れが大きくなり、なんらかの症状として表れる前に、ケアしておくことが大切です。

 

日々のケアを心がけてはいても、深刻な相談を立て続けに受ければ、心身共にかなりのパワーを消耗してしまうでしょう。翌日も予約がたくさん入っているときは、即効性のある「にんにく注射」などで乗り切っているという話も聞きます。占い師の仕事は、占術に関してだけでなく、信頼という意味でも、代わりを頼むことができません。人気のある占い師に鑑定してもらうために、何か月も前から予約をしたり、遠くから電車を乗り継いでくる人もいるでしょう。そんな人たちをガッカリさせることは、避けなければなりません。ですから、占い師の仕事を続けていくには、一般の人以上に、体調管理をしっかりとしなければならないでしょう。